南海電気鉄道とQUADRACは18日、クレジットカード等によるタッチ決済サービスの通信回線において、「社内内回り方式」を導入したと発表した。
社内内回り方式は、南海が保有する社内ネットワークを利用して、タッチ決済サービスのシステムを構成するもの。従来のシステムでは、閉域網のモバイル通信方式を採用し、公衆キャリアの回線を利用。外部の通信環境に左右され、決済エラーが発生するなどの課題があった。また、読み取り用のリーダー端末には、1台ごとに回線利用料が必要となっていた。今回、既存の社内ネットワークを活用することで、従来より安定した通信品質の確立と、端末回線利用料の削減を目指す。加えて、今回の新方式導入に際し、一部の端末をクレジットカードのセキュリティ基準「PCI-P2PE」に対応した新型に代替。セキュリティの強化も図るとしている。
将来展開として、南海では「駅遠隔制御システム」との連携も目指す。駅務機器の状態確認や操作がリモートで可能なシステムで、今回の社内ネットワークへの切り替えにより、タッチ決済時の入出場エラーを遠隔で対応できるようにする。
南海は、7月に泉佐野駅の改札口へPCI-P2PE対応のリーダー端末を設置。社内内回り方式へと回線を切り替えた。同社では、2023年度中に、タッチ決済サービスを提供している改札機全てを、同方式へと切り替える。また、大阪・関西万博が開催される2025年に向け、同方式によるタッチ決済サービスの導入駅を順次拡大するとしている。