JR東海は7日、「トンネル検査ロボット」の開発について発表した。
このロボットは、トンネル検査の自動化を目的として開発したもの。人力の検査作業を置き換えることで、労働力人口減少への対応や作業効率化を図るほか、作業員の経験に依存しない均質な検査の実現を目指す。
現在のトンネル検査では、検査員によるコンクリート表面の目視検査と、ハンマーで壁面を打撃することで内部状態を把握する打音検査を実施している。今回同社が開発したロボットは、打音検査を自動化。トンネル壁面に検査装置を押し当てて打撃を加え、振動を直接取得し、コンクリート内部の状態を評価する。また、従来は内部状態を検査員が音や感触の違いで把握していたが、これをセンサーが振動を取得する方法とすることで、従来と同等以上の評価を実現するという。装置は、ロボットアームにより自動で移動。検査後のデータ記録整理時間も短縮することで、作業全体の効率化を実現する。
トンネル検査ロボットは、現在プロトタイプが完成しているという。同社では、2023年度末まで、小牧研究施設と山梨実験線で検証試験を実施。基礎技術の確立を目指す。また、将来的な展望として、トンネル区間が多い中央新幹線への導入を目指すほか、在来線や新幹線のトンネル検査への適用も検討するとしている。