JR西日本は19日、大雨による山陰本線、美祢線の被災状況と、今後の見通しについて発表した。
山陰本線長門市~小串間と美祢線は、2023年6月30日からの豪雨により、橋りょうの傾斜・流失などの被害を受け、長期の運転見合わせが続いている。
山陰本線では、長門市~小串間の約51キロ区間で、計69か所が被災した。大雨による土砂災害の影響で、粟野川橋りょうの橋脚傾斜などの被害を受けたという。同社では、粟野川橋りょうの被災メカニズムの調査、構造物の詳細調査を、引き続き進めるとしている。
美祢線では、湯ノ峠~長門湯本間の約37キロ区間で、計80か所が被災。厚狭川の水位上昇や氾濫により、第6厚狭川橋りょう、線路の盛土やバラスト(砂利)が流失したと想定しているという。
同社は美祢線について、2010年7月に引き続いての厚狭川に起因する大規模な被災であることから、当該橋りょうだけでなく、厚狭川全体の河川計画を河川管理者が実施する必要があると説明。また、今回の被災前から、地域交通における美祢線の役割についての議論を、利用促進協議会を通し、沿線自治体に要請してきたことも踏まえ、沿線地域の防災強度向上の検討への対応とともに、今後について関係自治体と相談する方針を示した。