IRいしかわ鉄道は2日、北陸信越運輸局に対し、19キロ~65キロ区間の「上限運賃」を申請したと発表した。
今回の申請は、2024年3月16日の北陸新幹線金沢~敦賀間開業にともなう、北陸本線の経営分離に向けたもの。新幹線開業後にIRいしかわ鉄道の路線となる金沢~大聖寺間を含めると、同社の営業区間が現在の倶利伽羅~金沢間17.8キロから、倶利伽羅~大聖寺間64.2キロへ拡大することから、新規上限運賃を設定するために申請に至ったとしている。
申請した19キロ~65キロ区間の上限運賃は、普通旅客運賃および大人通勤定期旅客運賃が、JR西日本が定めた現行運賃の1.19倍の額。通学定期は、現行の1.05倍とする。
上限運賃は、国に申請し認可を得る運賃のこと。上限運賃以下であれば、鉄道事業者が実際に適用する運賃「実施運賃」は、国への届け出のみで自由に設定できる。
同社では、経営移管後の激変緩和措置として、上限運賃より割安の実施運賃を設定。普通旅客運賃および通勤定期旅客運賃は現行の1.14倍とし、通学定期券は従来どおりの料金とする。大人普通旅客運賃の実施運賃は、金沢~松任間が230円(現行200円)、金沢~小松間が580円(現行510円)、金沢~大聖寺間が980円(現行860円)などとなる。また、1キロ~18キロ区間においても、激変緩和措置を講じた現行の実施運賃を継続する。
同社ではこのほか、同社線と他社線にまたがって利用する場合の乗継割引について、これまで通り実施する予定だと発表している。