阪急電鉄は6日、神戸線・宝塚線に新型通勤車両の2000系、京都線に新型特急車両の2300系を導入すると発表した。
開発コンセプトは、「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」。マルーンカラーの車体、木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席といった阪急の伝統を継承する一方で、前面の窓ガラスに曲線を取り入れるなど、「疾走感」を醸し出したデザインとする。
車内は、2000系はロングシート、2300系はセミクロスシートとする。ロングシート端部の袖仕切りは半透明の素材に変更し、開放的な空間を提供する。ロングシートの座席中間部には握り棒を増設し、乗客が座席から立ち上がる際のサポートや、立っている乗客の安全性の向上を図る。さらに、犯罪・迷惑行為の抑止、事故発生時の状況確認を目的に、車内に防犯カメラを設置する。空調装置には、省エネルギー性能・静音性に優れたインバータ式ものを採用し、同社では初めてとなる空気清浄機を設置する。
バリアフリー設備としては、先頭車両の車いすスペースを拡大し、ベビーカーやスーツケースなど大型の荷物を持つ利用者が使いやすいように配慮する。また、壁面の手すりを2段にするとともに、車いす固定具を設置。非常通話装置の位置も、従来の連結部ドア横から乗降ドア横に変更する。このほか、吊り手の高さを下げるとともに、吊革の色を色覚の多様性にも配慮したものに変更。これにより、車いすスペース・優先座席の場所の視認性を向上させる。
VVVFインバータ制御装置には、エネルギー効率の高い半導体素子を採用し、省エネルギー性能を向上。既存車両と比較して消費電力量を約60%削減できるとしている。また、消費電力量のさらなる低減を目的に、車外側面の行先表示器のLEDは、走行中は消灯する仕様とする。
なお、2300系では、大阪方4両目に阪急初となる座席指定サービスを導入する。阪急電鉄は、その詳細について、後日発表するとしている。
2000系、2300系の導入は、2024年夏を予定している。