JR北海道は15日、特急列車の指定席車両を拡大し、一部特急列車は全車指定席に変更すると発表した。
全車指定席化の対象となる特急は、「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」の4列車。加えて、「カムイ」「ライラック」は指定席の対象車両を拡大し、自由席は各列車とも2両に減らす。「宗谷」「サロベツ」「オホーツク」「大雪」の変更はない。
同社は全車指定席化について、利用者の着席ニーズに応えることに加え、早くからホームで並ぶことの不便さや、始発駅に近い方が座れるという不公平感を軽減することを目的とすると説明している。
一部特急列車の全車指定席化にあわせ、同社は「おトクなきっぷ」をリニューアルする。駅で発売する「乗車券往復割引きっぷ」や「北斗オプション特急券」「すずらんオプション特急券」は廃止。ネット予約サイト「えきねっと」で発売する「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」のみの設定とする。
えきねっとの「おトクなきっぷ」は、期間や対象列車などが限られるものがあったが、これを拡大。4列車群すべてを対象とするほか、「お先にトクだ値」は通年設定に変更する。また、両きっぷに「イールドマネジメントシステム」を導入。航空券などと同様の仕組みで、予測乗車率と購入タイミングなどに応じ、列車ごとに価格や提供席数を変動させる。
今回の改変にあわせ、東室蘭~室蘭間は普通列車として直通運転している特急「すずらん」は、札幌~室蘭間の全区間を特急列車としての運転に変更する。東室蘭~室蘭間の相互間を乗車する場合に限り、乗車券のみで普通車指定席の空席が利用できる。普通列車が運転されていない石勝線新夕張~新得間でも、乗車券のみで特急列車の自由席を利用できる特例を、普通車指定席の空席利用へと変更する。
特急列車の指定席車両拡大などは、2024年春の実施を予定する。