JR東日本、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は5日、「新幹線早期地震検知システム」を改良し、2024年に新システムを導入すると発表した。
このシステムは、地震発生時、新幹線を緊急停止させることで、安全性を確保するためのもの。気象庁の緊急地震速報と同様の構成で、新幹線沿線などの地震計で初期微動(P波)を観測した際、震央の距離や方位、地震規模(マグニチュード)を推定。対象範囲内を走る新幹線への送電を停止することで、主要動(S波)到達前に緊急停止させることができる。
JR東日本などでは、新幹線開業以来、地震計の増設のほか、緊急地震速報や、防災科学技術研究所が設置した海底地震計など、社外地震情報も活用することで、システムの改良を進めてきた。鉄道総研は今回、P波によるマグニチュード推定方法を見直し、より小さな振幅で推定できるよう改良。P波検知から送電停止までの所要時間を、平均で2.6秒短縮し、平均1.3秒での制動開始が可能となった。
JR東日本では、135台の全ての新幹線震度計を改修し、新システムを導入する。改良型システムの使用開始は、2024年3月を予定する。