六甲山観光と阪神電気鉄道は8日、「六甲ケーブル」において「上下分離方式」を導入すると発表した。
六甲ケーブルは、六甲山観光が運営するケーブルカー。両社は今回、ケーブルカーの将来にわたる安全性向上と、安定的かつ継続的な事業運営を両立するため、上下分離方式の導入に至ったとしている。
上下分離方式は、従来は一つの事業者がレール、車両などの鉄道インフラの保有・管理、および列車の運行を担っていたものを、インフラ保有・管理担当と運行担当に分離するもの。インフラ保有事業者は「第三種鉄道事業者」、第三者の線路を使用して列車を運行する事業者は「第二種鉄道事業者」となる。
六甲ケーブルでは、阪神が車両、構造物、機械、土地、建物などの資産を保有する形態に移行。六甲山観光が第二種鉄道事業者、阪神が第三種鉄道事業者となる。移行にあたっては、六甲山観光を吸収分割会社、阪神を吸収分割承継会社とする吸収分割を実施し、六甲山観光の六甲ケーブル資産を阪神電鉄に承継する。
上下分離の実施は、2024年4月1日を予定する。なお、六甲山観光が営む「六甲山上バス」などの旅客自動車運送事業については、同社が引き続き運行を担うとしている。