鉄道コム

JR東海、新たな架線検測装置を開発 世界初、時速300キロで走行中の営業列車で架線細部を検査

2023年12月12日(火)17時27分

JR東海は12日、新幹線の高速走行中に検査可能な、新しい架線検査装置を開発したと発表した。

東海道新幹線
東海道新幹線

開発した装置は、「架線三次元検測装置」と「電車線金具異常検知装置」の2つ。時速300キロまでの高速走行中、架線の細部を検査できる、国内初の技術だという。いずれも営業用車両への搭載を目的としたものとなる。

架線三次元検測装置は、複数の架線が交わる箇所において、架線どうしの位置関係を走行しながら測定し、良否を自動判定できる装置。従来は係員が徒歩で対象箇所を巡回し、目視や器具の使用で状態を測定していた。

架線三次元検測装置の概要
架線三次元検測装置の概要
架線三次元検測装置導入後の姿
架線三次元検測装置導入後の姿

電車線金具異常検知装置は、架線で使用する金具類の状態を測定し、AIを用いて異常を自動で検出するもの。こちらも、従来は係員による目視、夜間の保守用車による検査により、状態を把握していた。

電車線金具異常検知装置の概要
電車線金具異常検知装置の概要
電車線金具異常検知装置導入後の姿
電車線金具異常検知装置導入後の姿

両装置で測定したデータは、今後整備するミリ波方式の列車無線で、地上へ伝送する。これにより、架線の状態変化を早期に発見することで、タイムリーな保守作業を実現するとしている。

JR東海では今後、装置の長期耐久性など、営業列車への搭載に向けた検証、およびさらなる精度向上に取り組むとしている。装置の本格導入は、2027年のミリ波方式列車無線運用開始後を見込む。

2023年12月12日(火)17時27分更新
 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 伊予鉄道7000系営業運転開始[2025年2月]
  • 京成3200形営業運転開始[2025年冬]

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。