JR西日本は18日、城端線および氷見線の鉄道事業再構築実施計画が、「第5回 城端線・氷見線再構築検討会」でまとめられたと発表した。
城端線と氷見線は、JR西日本が運営する北陸エリアの路線。両線とも赤字路線であることに加え、2015年の北陸新幹線金沢開業以降、両線以外のJR在来線との接続がない路線となったことから、これまで新体系への移行に向けた動きが度々起き上がっていた。JR西日本では2020年、両線で新しい交通体系の検討などを進めることを、沿線4市および富山県に提案。以降、今回の提案に至る具体的な動きを進めてきた。
今回とりまとめた計画の実施予定期間は、2024年2月15日から2034年3月31日まで。事業主体を、JR西日本からあいの風とやま鉄道へ変更するほか、新型車両の導入、列車の増発やパターンダイヤ化、保安装置やホーム、分岐器などの施設改修、交通系ICカード改札機の設置、両線の直通化などを実施する。
新型車両は、既存の24両を置き換えるほか、10両増車した、計34両を導入する。車両は電気式気動車を基本とするものの、車両メーカーの技術開発の最新動向をふまえ、鉄道事業者と協議のうえ導入するとしている。車両の前面デザインはオリジナル。車両製造費のほか設計費やデザイン費など、約173億円の投資を予定する。
事業主体の変更については、計画開始からおおむね5年後の、新型鉄道車両導入完了の時期を予定。変更までの間、JR西日本所有の鉄道施設などのあいの風とやま鉄道への譲渡、要員の出向条件などについて、協議のうえ決定するとしている。
事業期間中の費用は、施設整備費として、国が128億円、県および沿線4市(計)が各64億円、JR西日本が86億円を負担。また、2029年度以降に活用する経営安定支援として、県および沿線4市(計)が各11億円、JR西日本が18億円を拠出する。
検討会では、本事業の実施により、高岡駅を中心とした県西部の交通ネットワークの強化を実現すると説明。計画最終年度において、利用者数は2022年度比で1日あたり約2400人の増加、路線収支は2022年度比で年間3.8億円の改善を見込むとしている。