鉄道コム

城端線・氷見線、あいの風とやま鉄道へ経営移管へ 新型車導入・増発などで経営改善目指す

2023年12月18日(月)18時48分

JR西日本は18日、城端線および氷見線の鉄道事業再構築実施計画が、「第5回 城端線・氷見線再構築検討会」でまとめられたと発表した。

城端線・氷見線の観光列車「べるもんた」
城端線・氷見線の観光列車「べるもんた」

城端線と氷見線は、JR西日本が運営する北陸エリアの路線。両線とも赤字路線であることに加え、2015年の北陸新幹線金沢開業以降、両線以外のJR在来線との接続がない路線となったことから、これまで新体系への移行に向けた動きが度々起き上がっていた。JR西日本では2020年、両線で新しい交通体系の検討などを進めることを、沿線4市および富山県に提案。以降、今回の提案に至る具体的な動きを進めてきた。

城端線・氷見線の路線の状況
城端線・氷見線の路線の状況

今回とりまとめた計画の実施予定期間は、2024年2月15日から2034年3月31日まで。事業主体を、JR西日本からあいの風とやま鉄道へ変更するほか、新型車両の導入、列車の増発やパターンダイヤ化、保安装置やホーム、分岐器などの施設改修、交通系ICカード改札機の設置、両線の直通化などを実施する。

城端線・氷見線再構築実施計画の概要
城端線・氷見線再構築実施計画の概要

新型車両は、既存の24両を置き換えるほか、10両増車した、計34両を導入する。車両は電気式気動車を基本とするものの、車両メーカーの技術開発の最新動向をふまえ、鉄道事業者と協議のうえ導入するとしている。車両の前面デザインはオリジナル。車両製造費のほか設計費やデザイン費など、約173億円の投資を予定する。

事業主体の変更については、計画開始からおおむね5年後の、新型鉄道車両導入完了の時期を予定。変更までの間、JR西日本所有の鉄道施設などのあいの風とやま鉄道への譲渡、要員の出向条件などについて、協議のうえ決定するとしている。

事業期間中の費用は、施設整備費として、国が128億円、県および沿線4市(計)が各64億円、JR西日本が86億円を負担。また、2029年度以降に活用する経営安定支援として、県および沿線4市(計)が各11億円、JR西日本が18億円を拠出する。

検討会では、本事業の実施により、高岡駅を中心とした県西部の交通ネットワークの強化を実現すると説明。計画最終年度において、利用者数は2022年度比で1日あたり約2400人の増加、路線収支は2022年度比で年間3.8億円の改善を見込むとしている。

2023年12月18日(月)18時48分更新
 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 伊予鉄道7000系営業運転開始[2025年2月]
  • 京成3200形営業運転開始[2025年冬]

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。