富士山麓電気鉄道は22日、三つ峠駅をリニューアルすると発表した。
新駅舎のデザインコンセプトは、「記憶を受け継ぎながら地域の色を帯びた駅」。三つ峠駅開業当時から使われている駅舎を残しつつ、西桂の織物と駅の色である「赤」を空間テーマとして展開し、山梨県産の木のぬくもりを感じさせるものとする。駅舎のデザインは、西桂町が東京造形大学の学生へ開催したデザインコンペで決定したものを採用。待合室については、リニューアル前のものを保持しながら、北側と南側を隔てる壁を撤去し、観光情報冊子やパンフレット、特産品などの展示スペースを設置する。
また、リニューアル後の駅舎には、町のコミュニティー施設を併設する。西桂町役場庁舎の建替工事にともない、コミュニティー施設を移転する必要があったためで、移転場所について、西桂町と富士山麓電気鉄道が協議を重ねた結果の選定となる。
コミュニティー施設は、鉄道の待合室をイメージしたカフェスペースとし、中央部にキッチンカウンターを配置。また、地域の特産品である織物を使った暖簾でワークスペースや物販スペース、集会スペースをそれぞれ仕切り、異なる空間を演出する。
新駅舎の完成予定時期は、2024年5月頃。駅舎のうち、一部の解体や建て替え工事、既存駅舎の補強工事については富士山麓電気鉄道が、内装工事は西桂町が中心に担当する。なお、西桂町は、同駅舎の改修を目的に、クラウドファンディング型でふるさと納税を募る「ガバメントクラウドファンディング」プロジェクトを開始した。目標寄附金額は100万円で、集まった寄附金は全額、内装工事に活用するとしている。