JR東海は18日、同社の在来線用電車について、大規模検査の実施周期を延伸すると発表した。
鉄道車両では、自動車の車検になど相当する検査として、「全般検査」「重要部検査」といった大規模検査の実施が定められている。いずれも、検査の完了までに時間を要するほか、人件費や部品代といったコストもかかるものとなっている。
JR東海では、2014年度から2016年度までに実施した検査・修繕実績を検証し、車両の各機器・部品の耐久性などを確認。この結果をふまえ、2018年10月から2023年1月にかけて、実際に検査周期を延伸した車両での走行試験を実施していた。この試験により安全性を確認できたことから、同社は今回、在来線電車において、これら検査の周期を延伸することを決定した。
対象となる車両は、313系と315系の2形式。従来は全般検査を96か月以内、重要部検査を60万キロまたは48か月以内に実施していたところ、これを全般検査を120か月以内、重要部検査を80万キロ以内または60か月以内に変更する。特急「しなの」用の新型車両として導入を予定している385系についても、延伸後の検査周期を適用する予定としている。
検査周期の変更は、2024年4月に実施する。同社では、全ての電車が検査周期延伸の対象車両に置き換わった際には、部品交換数量の減少などにより、年間約4億円のコスト削減を見込むと説明。加えて、検査の工程を見直すことで、検査に必要な人員を削減できるとしている。