阪急電鉄は26日、座席指定サービス「PRiVACE」(プライベース)の詳細について発表した。
PRiVACEは、2024年7月に導入する、同社初の座席指定サービス。京都線の「特急」「通勤特急」「準特急」で提供するもので、新型車両2300系と、従来の9300系の一部を対象に、大阪方から4両目に専用車両を連結する。サービスのコンセプトは「日常の“移動時間”を、プライベートな空間で過ごす“自分時間”へ」。名称は「PRIVATE」(プライベート)と「PLACE」(場所)を掛け合わせ、「自分時間」が過ごせるプライベート感を表現した。
車両の設計コンセプトは、「“自分時間”にこだわる、阪急らしい特別な一両」。阪急電車の特徴である木目調の壁面素材や、ゴールデンオリーブ色の座席生地を一般車両から引き継ぎつつ、床面をカーペットとし、間接照明を採用することで、上質感を高め、くつろぎ感を演出する。また、車窓をより楽めるよう、窓は座席1列ごとに配列する。出入口部分では、壁面下部や床に落ち着いた木目調の素材を、また壁面上部には大理石調の素材をそれぞれ施したデザインとし、ダウンライトで柔らかく照らすことにより、上質な空間を演出する。
座席は、2+1列の3列配置。一般車両よりも座席幅や足元スペースを広げるほか、リクライニング時に座面が連動する機構を採用する。また、ヘッドレスト横の張り出しや、2列シートの中央部に設けるパーテーションにより、プライベート空間を演出する。座席にはこのほか、収納式テーブル、ドリンクホルダー、荷物用フック、マガジンラック、読書灯、コンセントなどを設置する。
車内では無料Wi-Fiサービス環境を整えるほか、防犯カメラや空気清浄機も設置する。また、スーツケースなどを収容できる大型荷物スペースを設けるほか、一部の座席は車いす利用者の優先席として扱う。車両には、座席の案内などを担う、専属のアテンダントが添乗する。
車両の外観は、阪急電車の特徴であるマルーンカラーや屋根上のアイボリー塗装、シルバーの窓枠を継承しつつ、車体にゴールドのラインを施すことにより、一般車両と異なる特別感を表現。乗降用扉には、ガラスにステンドグラスをイメージしたデザインを取り入れるとともに、ゴールドのラインで囲うことで、特別な空間への玄関口としての存在感を強調した。
PRiVACEの利用には、乗車区間の運賃に加え、1乗車あたり500円の座席指定料金が必要となる。阪急では、ウェブ予約・決済での利用者を対象に、次回以降お得に利用できるポイントサービスを設けるとしている。