JR九州と熊本県は4日、「JR肥薩線(八代~人吉間)の鉄道での復旧に関する基本合意書」を締結したと発表した。
肥薩線は、2022年7月の豪雨により、球磨川沿いの八代~人吉間を中心に被災。2024年4月現在も、八代~人吉~吉松間が不通となっている。両者は、3日に開催した「第7回JR肥薩線検討会議」において、八代~人吉間における鉄道復旧の方向性について合意したことから、合意書の締結に至った。
合意の内容は、復旧後の八代~人吉間の運営について、熊本県を含む沿線自治体を鉄道事業法に定める第三種鉄道事業者、JR九州を第二種鉄道事業者とする「上下分離方式」を採用すること、同区間の持続可能性をさらに高めるべく、「観光を軸とした日本一の地方創生モデルの実現」「マイレール意識の醸成による日常利用の創出」を、JR九州と熊本県の双方が連携・協力のうえ具体化することなど。両者はこれらの取り組みを、同区間の運転再開前に実行されている、または実行できる状態であることを目指すほか、復旧や運営のあり方、数値目標の設定・管理などについて、誠意をもって協議し、可能な限り具体化するという。
JR九州と熊本県は今後、基本合意書の内容の深度化を行い、同区間における鉄道復旧について、2024年度末までに最終合意することを目指すとしている。