鉄道コム

JR東、田町駅付近で羽田空港アクセス線の計画を一部変更 「高輪築堤」保存に向け

2024年4月15日(月)19時55分

JR東日本は15日、田町駅付近で発見された「高輪築堤」の遺構に関する調査・保存方針を発表した。

田町駅付近の線路
田町駅付近の線路

高輪築堤は、1872年の日本初の鉄道開業時、当時は海上だった高輪沖に線路を通すために構築された構造物のこと。後の海上埋め立てや線路増設により埋設されていたが、2019年以降に高輪ゲートウェイ駅付近の工事によって出土。田町駅付近でも、「羽田空港アクセス線(仮称)」整備に向けた試掘調査において石積みの構造物が発見されており、JR東日本や有識者らによる「高輪築堤調査・保存等検討委員会」にて、高輪築堤であると確認されていた。

確認箇所写真
確認箇所写真

JR東日本では、委員会が示した方針をふまえ、羽田空港アクセス線の工事計画を一部で変更。下り勾配の開始地点を当初より品川駅寄りに約100メートル移動することで、東海道本線の線路下に存在すると想定される高輪築堤の一部を、現状のまま保存する。この変更により、当初計画では約160メートルが高輪築堤に支障していたところ、約100メートルを現状のままで保存できると想定しているという。

工事計画略図
工事計画略図

また、委員会による調査では、田町駅北側の「雑魚場架道橋」の橋台には鉄道開業時の「第5橋梁」の橋台が残存している可能性があること、同駅付近は江戸時代後期に構築された「薩摩台場」の上に位置している可能性があることが明らかになったという。委員会ではこれら調査結果をふまえ、羽田空港アクセス線に支障する範囲の遺構については、記録保存とする方針を示した。

羽田空港アクセス線は、浜松町~東京貨物ターミナル間を通る休止中の貨物線「大汐線」などを活用して整備する、羽田空港の新たなアクセス路線。現在は東海道本線・上野東京ラインと直通する「東山手ルート」の整備が進められており、開業すれば東京~羽田空港間を約18分で結ぶこととなる。同社では、高輪築堤の一部現地保存に向けて羽田空港アクセス線の線路縦断線形の計画変更を実施する予定。今後、計画変更に必要となる環境影響評価手続きや工事計画の変更手続きを、国、東京都などの関係行政と連携して進めるとしている。

2024年4月15日(月)20時15分更新
 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 伊予鉄道7000系営業運転開始[2025年2月]
  • 京成3200形営業運転開始[2025年冬]

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。