JR北海道は17日、新たな観光列車の導入計画「スタートレイン計画」を発表した。
同社ではこれまで、各種リゾート列車や、「SLニセコ号」「SL冬の湿原号」「富良野・美瑛ノロッコ号」「くしろ湿原ノロッコ号」といった観光列車を運行してきた。しかし、これら列車は車両の老朽化によって既に廃車となったものがあるほか、今後も継続的に運行できる車両が少なくなってきているという。そこで同社は、車両、運行体系、サービスなどが従来と全く異なる、新しい観光列車を運行することで、沿線とともに北海道を活性化させる、本計画をスタートしたとしている。
スタートレイン計画では、「赤い星」「青い星」の2つの観光列車を運転する。「赤い星」は、北海道開拓使のシンボル「赤星」をイメージ。「青い星」はラベンダーや青い池をイメージした。車両のコンセプトは、「新たな北海道に出逢い沿線を楽しく元気にする」。
車両は、学園都市線、室蘭本線などで使用していた、キハ143形を改造。グレード差を設けた4両編成2本を製作する。車両デザインは、JR九州の観光列車などを手掛けてきた、ドーンデザイン研究所代表のインダストリアルデザイナー、水戸岡鋭治氏が担当する。
「赤い星」編成は、豪華仕様の「ラグジュアリークラス」に設定。定員は100人程度で、個室、セミコンパートメント、ボックス席など、多様なニーズに対応する座席種別の設置を予定する。また、ラウンジや茶室なども設ける。「青い星」編成は、上質な「プレミアムクラス」に設定。定員は、「赤い星」編成よりも多い200人程度とする。また、両編成共通の仕様として、内装には木材を多数使用。一部には北海道産材の使用を検討しているという。また、大開口の窓を設けた展望室を備え、北海道の自然景観を楽しめるつくりとする。車両の改造費は、約18億円。同社は、古い車両を改造し、再活用することで、SDGsに取り組むとしている。
「赤い星」「青い星」の運行開始時期は、2026年春を予定。「赤い星」は主に釧網本線、「青い星」は主に富良野線で運転するほか、北海道を周遊するクルーズトレインとしての活用も検討しているという。JR北海道は、「今までにない『豪華』で『上質』な設備により、お客様に感動の旅を提供」するとしている。