近畿日本鉄道は10日、新型一般車両について、営業運転開始時期や形式名などを発表した。
新型一般車両は、同社が2022年に導入を発表していたもの。2024年10月、奈良線、京都線、橿原線、天理線などで営業運転を開始する。形式名は「8A系」。
車両の外観は、赤・白のツートンカラー。「近鉄らしさを踏まえ、ご利用の皆さまに身近に、親しみを持っていただける新しいデザイン」としたという。
車内の座席は、車端部の優先席付近を除き、ロングシートとクロスシートを切り換えできる「L/Cシート」を設置。1両の中でロングシートとクロスシートを混在して配置することも可能としている。また、車両中央の乗降扉付近には、ベビーカー・大型荷物対応スペース「やさしば」を、1両あたり2か所設置。前向き、横向きのいずれでも着席できる座席と、ベビーカーや大型荷物などのスペースを兼ね備えたもので、床面にはストッパーを設置する。
また、車内保温用の扉個別開閉スイッチを、近鉄ではケーブルカー以外で初めて導入。このほか、各車4か所の防犯カメラや、同1か所のフリースペースの設置、扉上の大型液晶ディスプレイ設置、新型走行機器の導入などにより、セキュリティ性の向上、バリアフリーへの配慮、省エネ化の推進を図る。
8A系は、2024年度は4両編成12本を、奈良線・京都線系統に順次導入。2025年度は、奈良線・京都線系統に同9本を投入するほか、大阪線系統に同2本、名古屋線系統および南大阪線系統に各3本を投入する。近鉄の新型一般車両の導入は、2000年デビューの「シリーズ21」以来となる。