鉄道コム

JR西、京阪神都市圏の「複雑な運賃体系」見直しを発表 2025年4月に実施へ

2024年5月15日(水)17時24分

JR西日本は15日、京阪神都市圏における運賃体系の見直しを発表した。

JR京都線の電車
JR京都線の電車

京阪神都市圏では、通常の幹線用の運賃のほか、割安な「電車特定区間」、さらに割安な電車特定区間の「大阪環状線内」という3種類の運賃体系が、国鉄時代から設定されている。同社は、都市圏域の拡大にともなう輸送サービスや利用状況と運賃水準の不一致が課題であると認識。今回、同じレベルの輸送サービスを提供しているエリアにおいて運賃体系を統合し、平準化を図ることを決めた。

今回の見直しでは、電車特定区間の対象範囲を拡大。従来は京都~大阪~西明石間、天王寺~和歌山・奈良間などが対象だったところ、野洲~京都間、山科~堅田間、京都~亀岡間、尼崎~新三田間、西明石~網干間、日根野~関西空港間なども対象に加える。一方で、大阪環状線内の区分は廃止し、通常の電車特定区間に統合する。

新たな「電車特定区間」の適用区間。従来区間(水色)に加え、赤色区間(従来の「幹線」運賃適用区間)にも拡大する。一方、「大阪環状線内」(青色)の区分は廃止し、通常の電車特定区間に統合する
新たな「電車特定区間」の適用区間。従来区間(水色)に加え、赤色区間(従来の「幹線」運賃適用区間)にも拡大する。一方、「大阪環状線内」(青色)の区分は廃止し、通常の電車特定区間に統合する

1キロあたりの賃率も変更する。電車特定区間における改定後の1キロあたりの賃率は15.50円で、従来の15.30円、大阪環状線内の13.25円からは、それぞれ値上げとなる。一方、電車特定区間の拡大区間(従来の幹線運賃適用区間)における1キロあたりの賃率は16.20円のため、拡大区間内や同区間にまたがる利用時の運賃は値下げとなる。改定後の運賃(鉄道バリアフリー料金を含まず)は、初乗り140円、7キロ超10キロ以内が190円など。また、電車特定区間の拡大区間は、鉄道駅バリアフリー料金(大人普通旅客運賃10円、同通勤定期旅客運賃1か月300円など)の収受対象となる。

JR西日本は、国土交通大臣に対し、15日付で本内容の上限運賃を申請した。運賃改定は、2025年4月1日発売分以降が対象となる。JR西日本は、本改定により運賃が値上げとなる区間、値下げとなる区間の双方があるが、同社の運賃収入は全体としては増収とならない想定のもと、運賃を設定していると説明する。

2024年5月15日(水)17時24分更新
 

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 伊予鉄道7000系営業運転開始[2025年2月]
  • 京成3200形営業運転開始[2025年冬]

鉄道コムおすすめ情報

画像

登場時デザイン撮影会で

京急600形30周年にあわせた撮影会が12月に開催。600形デビュー時デザインが撮影会限定で復活。

画像

東武の車両「記録推奨度」

この車両、いつまで走る? 引退が危ぶまれる車両や、見た目が変わりそうな車両をご紹介。今回は東武編です。

画像

4000系が「機関車風」塗装に

「西武秩父線開通55周年記念車両」11日運転開始。4000系をE851形を模した塗装に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、高倍率ズーム・広角レンズ編です。

画像

京都鉄博に381系

12月12日~17日に特別展示。16日までは、一部で「スーパーくろしお」色ラッピングも実施。

画像

11月の鉄道イベント一覧

数百件の情報を掲載中。鉄道旅行や撮影の計画には、鉄道コムのイベント情報をどうぞ。