富山県は27日、「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放・旅行商品化の開始時期を、2025年以降に延期すると発表した。
黒部宇奈月キャニオンルートは、黒部川沿いの電源開発のために整備された専用線などを活用する、約18キロの観光ルート。当初は2024年度中の開放を予定していた。しかし、1月に発生した能登半島地震による落石で、黒部峡谷鉄道の「鐘釣橋」が損傷。黒部峡谷鉄道の全線開通見込みが10月1日ごろとなったことから、黒部宇奈月キャニオンルートの開放も10月1日ごろへと時期が繰り下げられていた。
黒部峡谷鉄道は、雪解け以降の詳細な現地調査の結果、落石防止対策などの復旧工事が当初の見込み以上に時間を要し、2024年シーズンは全線開通ができない状況となったと発表。これを受けた富山県は、黒部宇奈月キャニオンルートの同年中の開始を断念した。
富山県は、2025年以降の黒部宇奈月キャニオンルートの開始日および旅行商品の販売開始日については、黒部峡谷鉄道の全線開通の時期が示された段階で改めて決定し、発表するとしている。