松浦鉄道は、国土交通省九州運輸局に対し、鉄道事業の旅客運賃上限変更に関する認可申請を、5月29日付で提出した。
同社が国に申請した「上限運賃」は、有田~伊万里間を例とすると、大人普通旅客運賃が550円(現行460円)、大人通勤定期運賃(1か月)が2万460円(現行1万7270円)、同通学定期運賃(1か月)が1万4190円(現行1万1980円)。1日乗車券の価格は変更しない。なお、実際に適用する「実施運賃」については、申請の認可後、あらためて届け出る。有田~伊万里間は上限運賃と同額で実施運賃を設定するが、佐世保~佐々間などの一部区間では、上限運賃より割安な特定運賃を、実施運賃として設定する。特定運賃区間における大人普通運賃の設定予定額は、佐世保~泉福寺間が270円(現行230円)、佐世保~大学間が460円(現行390円)、佐世保~佐々間が650円(550円)など。
松浦鉄道は、運賃改定の背景に、沿線地域の人口減少、新型コロナウイルス感染症の流行による乗降人員数減少のほか、燃料軽油価格や人件費の高騰、資材仕入価格の上昇といった要因があると説明。今後も沿線地域の公共交通として、安全・安心のサービスを持続的に提供すべく、収支の改善を目的とした運賃改定を決めたとしている。なお、同社の運賃改定は、2016年4月以来のことであるという。
運賃の改定は、2024年10月1日を予定している。