JR九州は19日、鉄道事業の旅客運賃および料金の上限変更認可を、国土交通大臣に申請した。
普通旅客運賃では、平均14.6パーセントの改定を申請。キロ数に賃料を乗じて算出する101キロ以上の運賃は、300キロ以下に適用する賃率を2円引き上げる。301キロ以上に適用する賃率は据え置く。また、定期旅客運賃も改定する。改定率は、通勤定期が平均30.3パーセント、通学定期が平均16.0パーセント。通勤定期は割引率も見直す。
新幹線特急料金は、平均12.4パーセントの改定を申請した。九州新幹線、西九州新幹線ともに申請対象に含まれているが、西九州新幹線については、開業から間もないことから、実際に適用する料金は現状のまま据え置く。また、九州新幹線の一部隣接駅間などで自由席を利用する場合に適用する特急料金も、現行の870円のまま据え置く。
在来線特急料金、グリーン料金、座席指定料金は、改定の対象外とする。また、各種割引きっぷについては、申請が認可された場合、改定分相当の引き上げを実施するとしている。
改定後の運賃は、初乗り運賃が200円(現行170円)、博多~久留米間が870円(現行760円)、博多~小倉間が1510円(現行1310円)など。新幹線特急料金は、博多~熊本間が3420円(現行3060円)、博多~鹿児島中央間が5680円(現行5030円)などとなる。
同社は、高速道路網の発達、人口減少・高齢化、新しい生活様式の定着にともなう利用者の減少、さらには電気料金や物価の高騰という状況下で、車両・設備の老朽化対策や、激甚化する災害などへの対応、働き手の待遇改善が必要だと説明。これらの対応を着実に実施するために、今回の申請に至ったとしている。
運賃改定の実施予定日は、2025年4月1日。同社の運賃改定は、消費税率の引き上げによる改定を除くと、1996年1月以来となる。