甘木鉄道は、16日に発表した鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請のプレスリリースにおいて、新型車両を導入すると発表した。
新型車両は、利用客のサービス向上、および従来車両の老朽化に対処するために導入するもの。同社では、2001年以降に導入したAR300形・AR400形を計8両運用しているが、これら全車を更新するという。
同社の旅客運賃上限変更認可申請は、13日付で国土交通省九州運輸局に対し提出されている。改定後の大人普通運賃は、1キロ以内が140円(現行120円)、12キロ超14キロ以内430円(現行370円)など。定期運賃も同様に改定する。平均値上げ率は、普通旅客運賃が大人16.9パーセント、小人14.9パーセント、通勤定期旅客運賃が15.0パーセント、通学定期旅客運賃が15.1パーセント。この運賃改定により、2025~2027年度の運賃収入は、改定を実施しない場合と比較し、定期・定期外合計で16.0パーセントの増加を見込んでいるという。
同社は、運賃の上限変更申請に至った理由として、新型コロナウイルスによる影響や、物価高や施設・設備の整備費用の増大、人件費の高騰により、2020年度から赤字が続く厳しい経営状態となっていると説明。一方、老朽化対策としての新型車両導入など、安全・安心な交通サービスを維持するための設備投資が今後も必要だとしており、今回の運賃改定を決めたとしている。同社の運賃改定は、消費税率の改定によるものを除くと、1995年12月以来、約29年ぶりとなる。運賃改定の実施は、10月1日を予定する。