神戸電鉄は22日、旅客運賃の上限変更について、近畿運輸局長に認可申請した。
改定後の大人初乗り運賃は210円。現行の運賃(バリアフリー料金含む、以下同)は190円で、20円の価格改定となる。このほか、距離別に、2区までは20円、3区~5区は30円、6区~8区は50円、9区~11区は60円、12区~14区は70円、15区は80円、16区以遠は90円を、それぞれ現行運賃に加える。通勤・通学定期券も改定対象だが、通学定期券は家計負担に配慮し、改定率を抑えるとしている。
なお同社では、駅バリアフリー工事の推進を目的として、「鉄道駅バリアフリー料金」を、2023年4月に導入している。今回の申請が認可された場合、同社はバリアフリー料金を廃止すると説明。公表済みのバリアフリー整備計画については、前倒しで計画を進めるとともに、さらなる内容の充実を目指すという。
同社は今回の運賃改定について、利用客数の減少や、電気動力費、資材価格の高騰、人件費の上昇などが理由だと説明。公共交通機関としての社会的責任を果たすため、消費税率改定を除いては約29年ぶりとなる運賃改定の認可申請に至ったと説明している。この運賃改定の実施により、2025年度~2027年度の鉄道部門収支率の推定は、81.2パーセントから90.7パーセントに改善できる見込みだとしている。
運賃改定の実施は、2025年1月19日を予定する。