広島電鉄は23日、電車・バスの運賃や、運賃・定期券制度などの変更を予定していると発表した。
電車の大人運賃は、これまで市内線は220円均一(白島線のみ160円均一)、宮島線は距離別運賃としていたところ、これを全線共通で240円均一へと改める。市内線や宮島線のみの乗車時では値上がりとなる一方、市内線と宮島線の連絡乗車において、宮島線で10キロ超の区間を利用する場合の運賃は値下げとなる。
また、同社は運賃改定にあわせて、「MOBIRY DAYS」を使用する場合に適用する「MOBIRY DAYS運賃」を導入する。同運賃は、宮島線の1区が150円、2区が170円、3区が200円、4区が210円、5区および市内線全線、市内線と宮島線の連絡乗車時が220円。白島線を除く市内線、宮島線4区では運賃が実質据え置きとなるほか、市内線と宮島線3区~5区の連絡乗車時は値下げとなる。なお、「PASPY」を利用する場合は、従来の定率割引(最大10パーセント)のみの適用となる。
路線バスでは、均一エリアの運賃を220円から240円に変更する一方、均一エリアを拡大する。均一運賃エリア以外では、初乗り運賃を170円から200円とするなど、おおむね30円~80円値上げするとしている。
定期券では、電車市内線と宮島線連絡の区間定期券を廃止し、新たに「電車全線定期券」を発売する。宮島線単独の区間定期券は引き続き発売する。また、バス定期券においては、区間式定期券を廃止し、新たに「バス金額式定期券」を設定する。このほか、バスの均一エリア拡大にあわせ、「広島シティパス」の対象エリアを拡大するほか、同定期券および「広島シティパスワイド」の発売額を変更する。
広島電鉄は、今回の運賃改定などについて、利用客の減少や、設備投資による減価償却費の増加、原材料費高騰や人件費増加などが背景にあると説明。広島駅南口広場再整備事業にともなう広島駅ビルへの乗り入れといった利便性向上策に努める一方、安定した事業継続を目的とした経営健全化を図るため、今回の発表に至ったとしている。
同社の運賃改定は、23日付で、国土交通省中国運輸局へ認可を申請している。運賃改定の実施は、2025年2月1日を予定する。