JR東日本とJR西日本は29日、利用者が少ない線区の経営情報を開示した。
JR東日本の内容は、2023年度分の実績。平均通過人員が1日あたり2000人未満の線区を対象としている。
同社で最も収支率が低いのは、久留里線の久留里~上総亀山間。収支率は0.7パーセントで、収支は2億3500万円の赤字。100円の収益を得るために必要な経費を表す「営業係数」は、1万3580円となっている。同区間の2023年度における平均通過人員は1日あたり64人で、1987年度(国鉄分割民営化当時)の823人より92パーセント減少している。このほか、津軽線中小国~三厩間(収支率0.7パーセント、営業係数1万3520円)、陸羽東線鳴子温泉~最上間(収支率0.7パーセント、営業係数1万3465円)などが続く。
同社はこれまで、2019年度実績で、平均通過人員が1日あたり2000人未満の線区を対象として発表してきた。今回これを2023年度実績に改めたことで、対象が34路線62区間から、36路線72区間へと増加している。
JR西日本の内容は、2021~2023年度の3か年平均。2019年度に平均通過人員が1日あたり2000人未満の線区を対象とした。
同社で最も収支率が低いのは、芸備線の東城~備後落合間。収支率は0.8パーセントで、営業係数は1万1766円となった。同社で営業係数が1万円を超えるのは、同区間のみとなっている。
JR東日本とJR西日本では、利用が少ないローカル線について、沿線自治体や地域住民に現状を共有し、将来に向けて持続可能な交通体系などについて建設的な議論を進めるため、経営状況を開示している。