南海電気鉄道は10月30日、2026年4月をめどに、鉄道事業を分社化すると発表した。
南海電気鉄道は、鉄道事業に加えて不動産事業を営んでいるほか、南海グループの統括なども担っている。同社では、鉄道事業では将来にわたって安全・安心な輸送サービスをサステナブルに提供し続けることを目指しており、不動産事業は同社グループの今後の成長をけん引する原動力として飛躍的な成長の実現を目指していると説明。これらの事業戦略をよりスピード感をもって推進していくためには、分社化によって、それぞれの事業特性に応じた実行体制を持つ、強靭な組織に改革していくことが必要だと判断したという。
分社化により、現在同社が営んでいる鉄道事業は、同社が100パーセント出資する新会社へと承継する。分社化後の南海電気鉄道は、不動産事業や、鉄道・不動産に続く第3の事業の柱の創造に注力する。
同様の分社化は、近年では東急グループが実施していた。東急は、2019年9月に社名を東京急行電鉄から変更したうえで、同年10月に鉄道事業を東急電鉄へと移管している。
南海電気鉄道の会社分割による鉄道事業の分社化は、2025年6月に開催予定の定時株主総会決議による承認などを条件として実施する。同社は、詳細については、決定次第あらためて発表するとしている。