京阪電気鉄道は3日、国土交通大臣に対し、京阪線・大津線旅客運賃の上限変更認可を申請した。
申請した運賃は、京阪線の初乗りが180円(現行170円、「鉄道駅バリアフリー料金」含む)、大津線の初乗りが200円(現行170円)など。定期運賃も同様に改定する。改定率は、普通運賃が15.5パーセント、通勤定期が17.5パーセント、通学定期券が8.8パーセントとなる。中之島線と鴨東線で適用している加算運賃、鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル)の運賃、「プレミアムカー」「ライナー」の料金は変更しない。
なお同社では、駅バリアフリー工事の推進を目的として、「鉄道駅バリアフリー料金」を、2023年4月に京阪線で導入している。今回の申請が認可された場合、同社はバリアフリー料金を廃止すると説明。可動式ホーム柵をはじめとするバリアフリー設備の整備、維持更新は、引き続き計画的に実施するとしている。
京阪電気鉄道は、少子高齢化や、コロナ禍を経て新たな生活様式が定着したことにより利用者が減少した一方、バリアフリー設備の整備、車両や施設の更新投資、激甚化する自然災害への対策、カーボンニュートラルなどの社会課題への対応、さらに電気料金や物価高騰、人材確保に向けた待遇・職場環境改善などが求められていると説明。このような状況下でも鉄軌道事業を安定的・継続的に運営していくため、今回の運賃改定申請に踏み切ったとしている。
同社は、今後の安全対策推進や業務効率化、バリアフリー化推進などの取り組みとして、車両更新・リニューアルの継続や、車内防犯カメラの設置、可動式ホーム柵などの整備を実施すると説明。また、2025年秋には京阪本線・中之島線の一部でワンマン運転を実施するほか、管理駅から被管理駅を遠隔監視・制御する「他駅サポートシステム」について、2025年度から2027年度にかけ、管理駅機能を集約・一元化するとしている。
京阪線・大津線の運賃改定は、2025年10月の実施を予定。消費税率改定によるものを除くと、1995年以来30年ぶりの改定となる。