南海電気鉄道は20日、南海本線の一部区間において、ワンマン運転を開始すると発表した。
対象となるのは、南海本線の泉佐野~和歌山市間を走る一部の普通車。8300系車両4両編成を使用して実施する。対応車両には車両側面カメラを設置しており、同カメラで車両側面の安全を確認した後に列車を発車させる流れとする。また、車両には「誤開扉防止装置」を設置。運転士が誤ってホームがない側の扉を開ける操作をした場合でも、扉が開かない仕組みとすることで、車掌が乗務する列車と同等の安全性を担保するという。このほか、ワンマン運転区間の全駅には、運転士が見える位置に「進出用非常通報装置」を設置し、ホーム非常通報装置の動作を運転士が確認できる環境を整えた。
同社では、高野線汐見橋~岸里玉出間(汐見橋線)や橋本~極楽橋間、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線といった、支線区を中心とした区間でワンマン列車を運転している。同社では、生産年齢人口の減少によって乗務員の確保が難しくなることが予想されることから、一定の列車本数を維持するために、本線でのワンマン運転実施を決定したとしている。
南海本線でのワンマン運転開始は、2025年3月22日を予定。これに先立ち、同年1月より乗務員の習熟運転を実施する。