東急電鉄は17日、「新空港線」の整備に向け、国土交通省に対し、都市鉄道等利便増進法に基づく営業構想の認定を申請した。
新空港線は、蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ連絡線により、両駅を接続するという構想の新線。距離のある東急・JRの蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶため、「蒲蒲線」とも呼ばれてきた。大田区と東急では、同線の建設を目指し、2022年に第三セクター「羽田エアポートライン」を設立するなど、整備に向けた動きを進めてきた。
今回、東急電鉄が申請した営業構想の概要では、実施区域を東急多摩川線矢口渡・蒲田駅間から京浜急行電鉄本線・空港線京急蒲田駅付近までと設定。連絡線区間が約0.8キロとなる普通鉄道で、東急多摩川線(多摩川~蒲田間)との直通のほか、一部は東横線渋谷方面との直通運転も想定する。東急は、同線の整備効果の例として、中目黒~京急蒲田駅付近間は約23分、自由が丘~京急蒲田駅付近間は約15分で結ぶとし、前者は現在よりも約13分、後者は約22分の短縮を実現すると説明している。
都市鉄道等利便増進法は、都市鉄道の既存路線を有効活用し、速達性向上や駅施設の利用円滑化などを図ることを目的とする、鉄道整備手法を定めた法制度。鉄道事業者などの営業主体、第三セクターなど公的主体による整備主体を分離する「上下分離方式」を採用し、路線や施設を整備する。同制度を活用して建設する新線では、整備主体が国や地方公共団体の補助を受けて施設を整備し、営業主体が整備主体に施設使用料を支払い列車を運行することになる。同制度は、東急や相鉄、JR東日本による運行されている「相鉄・東急直通線」「相鉄・JR直通線」の整備プロジェクト「神奈川東部方面線」などで適用されてきた。