JR北海道は19日、観光列車の運行プロジェクト「スタートレイン計画」として導入する新たな観光列車「赤い星」「青い星」について、運行開始時期を変更すると発表した。

「赤い星」「青い星」は、室蘭本線などで使用してきたキハ143形を改造して導入する観光列車。同社は、車両の改造に際し、通常の定期検査では取り外さない内装材の内側を確認したところ、想定以上の腐食や歪みが発覚したと説明。当初の想定以上に補修に時間が必要なことから、運行開始時期を変更することを決めた。同社は、「『豪華』で『上質』な観光列車としてご提供」するため、通常の修繕より手をかけて車体を仕上げているとしている。


観光列車は、「赤い星」が2026年4月下旬に、「青い星」が同年6月上旬に、それぞれ営業運転を開始する予定だった。JR北海道は、具体的な運行開始時期については、確定次第改めて発表するとしている。

同社は、「赤い星」「青い星」の導入にともない運転を終了すると発表していた「ノロッコ号」について、2026年度に限り運転を継続することを、あわせて発表した。

「ノロッコ号」は、窓を大きく改造した展望客車などを使用するトロッコ列車。列車名は、速度を落として走ることから、「ノロノロ」と「トロッコ」を組み合わせている。道東を走る「くしろ湿原ノロッコ号」は1989年、道央を走る「富良野・美瑛ノロッコ号」は1998年に運転を開始。展望客車は1998年~1999年に導入された。
同社では、「赤い星」「青い星」の運行開始時期が変更となることから、必要な措置を施したうえで、「ノロッコ号」を2026年度に限り継続運行すると説明している。なお、「ノロッコ号」で使用している機関車は経年45年以上、客車も40年以上が経過し、老朽化の進行とともに使用部品の生産中止が相次いでいることから、以降の継続使用は困難だとしている。