名古屋鉄道は24日、検討を進めている「名古屋駅地区再開発計画」の事業化を決定したと発表した。

名古屋駅地区の再開発計画は、リニア中央新幹線の開業と、これを契機として名古屋市などが進める「スーパーターミナル化」に対応し、都市としての名古屋の魅力を高めることを目的に実施。同社では、エリアの魅力や価値向上に資する賑わい・交流機能の創出、 移動利便性、快適性の向上とスーパーモビリティハブ機能の確立、名鉄グループのポテンシャルの発揮および名鉄ブランドの価値向上を図るとしている。
再開発の対象地は、名古屋市中村区名駅一丁目2番他。商業やオフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナルの機能を持つ施設を建設する。敷地面積は約3万2700平方メートルで、延床面積は約52万平方メートル。これにより、名古屋駅を起点とした都心回遊性の向上を図るほか、再開発エリアにとどまらない沿線・地域の価値最大化につながるまちづくりを進め、新たなランドマークとなることを目指す。



共同事業者は、名古屋鉄道、名鉄都市開発、日本生命保険、近畿日本鉄道、近鉄不動産。名鉄の投資額は約5400億円となる。名鉄は、本再開発計画の詳細については、共同事業者間にて正式に合意した後に公表するとしている。
名鉄は、名古屋駅地区の再開発にあわせ、名鉄名古屋駅の再整備も進める。
名鉄名古屋駅は、名鉄の拠点駅である一方、3面2線という小規模な設備となっている。同社では、4線化をはじめとする再整備をすすめ、鉄道ネットワークの機能強化、空港アクセス強化、地域交通拠点の形成などを図るとしている。
再整備においては、線路を2線から4線に増やし、「空港アクセスホーム」の設置や、行先方面別のホームの振り分けを実現する。また、ゆとりをもった駅空間の整備や、段差の解消、バリアフリー化、ホームドア設置に取り組むほか、空港アクセス列車の停車時分増大にもつとめる。


名鉄名古屋駅再整備を含めた名古屋駅地区再開発は、2025年度末に開始。2026年2月28日に名鉄百貨店、3月22日に名鉄グランドホテルの営業を終了するほか、同年3月中に名鉄バスセンターの機能を代替施設に移転する。2026年度には既存施設の解体に着手し、2027年度には新築設備の建設を開始。2033年度にオフィス、一部商業施設、ホテル、バスターミナルが入居する第1期本工事が竣工する。同年度には、名鉄名古屋駅も2線での1期リニューアルが完了。残る商業施設の開業と、名鉄名古屋駅の4線でのリニューアル完了は、2040年代前半を予定する。