南海電気鉄道は3月31日、「NANKAIグループ中期経営計画 2025-2027」を発表しました。

同計画は、2025年度から2027年度までを期間としたもの。2018年に策定した「南海グループ経営ビジョン2027」の最終盤における3か年でグループ全体の成長を実現し、2028年度以降の「『2050年の企業像』に向けた次の10年」につなげるための計画です。
公共交通事業においては、「車両更新の加速」として、特急「サザン」を新型車両に更新することが盛り込まれました。「サザン」は、難波~和歌山市・和歌山港間で運転されている列車。指定席車両と自由席車両を連結して運転されており、指定席車両としては、2011年デビューの12000系、1985年デビューの10000系が使われています。同社では、2027年度末以降に、「サザン」に新型車両を投入する構想を示しています。

また、新たな観光列車の導入についても触れられています。同社では、2022年に発表した運賃改定申請に関するプレスリリースにおいて、高野線へ新たな観光特急車両を導入することを発表していました。今回の中期経営計画においては、「世界遺産 高野山となんばを結ぶ」としており、2026年春の導入目標が掲げられています。
同社はこのほか、「インバウンドを含む、多様なお客さまが快適に利用できる車両」を2027年度までに40両導入することや、2026年度以降の料金等の見直し・多様化、4月1日の泉北高速鉄道統合による効果の発現、支線における自動運転(GOA2.5)の2027年度開始、鉄道線のワンマン運転区間拡大に向けた環境整備、バス事業における運営体制の見直しなどを掲げています。
これらのさまざまな施策の展開により、同社では「多様なモビリティが生み出す価値を提供し、持続可能な公共交通事業」の実現を目指す構えです。