神戸高速鉄道や山陽電気鉄道、阪急電鉄などは3月30日、山陽電気鉄道の神戸高速線における「第二種鉄道事業」の廃止を届け出たことを発表した。なお、列車の運行形態の変更はない。
対象となる山陽電気鉄道の神戸高速線は、西代~阪急三宮間(5.7キロ)と、高速神戸~元町間(1.5キロ)の路線。この区間内は、線路を神戸高速鉄道が所有し、「第二種鉄道事業」として山陽電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道の3社が事業許可を受けて運行している。今回の国土交通省への届出では、山陽電気鉄道の神戸高速線内の全区間が廃止され、休止していた阪急電鉄の西代~新開地間もあわせて廃止される。今後は、新開地~阪急三宮間は阪急電鉄が、西代~元町間は阪神電気鉄道のみが第二種鉄道事業者として運行することになる。廃止は2010年度内に実施される予定。山陽電気鉄道の神戸高速線廃止後も、山陽電気鉄道は阪急三宮や阪神梅田方面への直通運転を継続し、乗り入れを行う。
第二種鉄道事業とは鉄道営業法における鉄道事業形態の1つ。第二種鉄道事業者では、他社の線路をいわば自社線として営業運行し、運賃も自社で設定できる。しかし、神戸高速線内では複数の第二種鉄道事業者が存在することもあり、運賃は各社とも神戸高速線を別会社線として扱っている。そのため、西代~三宮・元町をまたがる区間では運賃が割高となっている。今回の見直しで、第二種鉄道事業者の重複がほとんどなくなったため、今後の運賃の改定が実現されやすくなる。