鉄道友の会は9日、2010年の「ブルーリボン賞」にJR東日本のE259系を、「ローレル賞」に近畿日本鉄道の22600系を選定したと発表した。
ブルーリボン賞では、成田国際空港と首都圏の主要駅を結ぶ「成田エクスプレス」のE259系車両が、選考に参加した鉄道友の会会員の支持を最も集めた。E259系は、走行中の揺れを減らす装置の採用により乗り心地が旧型車両に比べて向上しているほか、全席に設置された電源コンセントや無線LANのインターネット接続環境など車内のサービスが充実している。また、セキュリティも配慮され、スーツケースなどの大型の荷物を置くスペースでは、ダイヤル式の鍵や防犯カメラが設置されている。
ローレル賞では、近畿日本鉄道で標準軌路線の汎用特急車両として17年ぶりに登場した、近畿日本鉄道の22600系が選ばれた。「全ての特急利用客に、快適な移動空間を等しく提供するという特急サービスの新たなスタンダードを確立した」点が、選考委員会において評価された。近鉄22600系は運転系統を固定せず幅広く運用されており、他車との併結が可能。「ゆりかご式シート」を改良したゆったりとした座席、背面と肘掛部の両方に設けられたテーブル、モバイル用コンセントの設置など、快適性の向上に主眼が置かれている。
ブルーリボン賞とローレル賞は、毎年1回、前年に営業運転に就いた車両から選定される。昨年選ばれたのは、ブルーリボン賞が小田急電鉄の60000形、ローレル賞が豊橋鉄道のT1000形と京阪電気鉄道の3000系。
