JR東海は7月30日、東海道新幹線の浜松工場を全面リニューアルすると発表した。浜松工場の大規模なリニューアルは初めて。
浜松工場は、東海道本線を走る機関車や客車の修理工場として、1912年に設立された。現在は東海道新幹線で唯一の全般検査を行う工場として、新幹線車両を中心に検査が行われている。建物は設立当時のものが使用されており、老朽化対策や作業の効率化を目的に、このたび浜松工場の全面的なリニューアルが行われることになった。
リニューアルでは、大地震が発生した場合でも新幹線の全般検査が継続できるよう、建物の耐震化がおこなわれる。建物の立て替え対象となる面積は、浜松工場の敷地の約3分の1にあたる約10万9000平方メートル。検査や修繕用のラインも変更され、今後は車体や部品が一方通行で工場内を一周するようになり、同じ場所での無駄な行き来がなくなる。また、現在人手で行っている車両先頭部の「研ぎ作業」などが機械化されるほか、工場の屋根を利用する太陽光発電システムの導入により省エネ化が図られる。
JR東海によると、浜松工場のリニューアルにかかる工事費は約870億円。今年7月に着工し、車両の全般検査も行いながら、工事を進めていくという。新しいラインによる全般検査は2017年に開始し、リニューアル工事の完了は2019年の予定。