JR九州は10日、来年3月12日に全線開業する九州新幹線(鹿児島ルート)の運賃と特急料金を発表した。また、新しい料金体系により、すでに開業してる新八代~鹿児島中央間では、短距離の特急料金が最大約3割安くなることになった。
JR九州が発表した九州新幹線の運賃と料金は、同社が10日に国土交通大臣に認可申請したもの。主な区間の運賃と特急料金の合計額は、博多~熊本間が4990円、博多~鹿児島中央間が1万170円。認可申請した額が上限となり、割引きっぷがそれらの額より安く設定される見込み。
認可申請中の自由席特急料金をキロ別にみると、150キロまでの特急料金は既存区間と同じで、100キロまでが1680円、150キロまでが2410円と、ほかの新幹線と比べても同水準となる。ただそれ以降は、200キロまでが3100円、250キロまでが3700円、300キロまでが4300円で、東海道・山陽新幹線とは最大で約2.5割高く、ほかの新幹線と比べて割高となっている。
およそ50キロまでの区間には、自由席、指定席ともに割り引いた特急料金が設定される予定で、自由席では830円または1200円、指定席では1710円となる。この割引料金はすでに開業している新八代~鹿児島中央間にも適用されるため、例えば新八代~新水俣間の自由席では、これまで1680円だったが1200円に変更され、約2.8割値下がりする。
九州新幹線の全線開業にあわせて、山陽新幹線との直通運転が開始されることから、シーズン別の料金とグリーン料金の設定が実施される。これまで九州新幹線の指定席は、1年を通して同一料金だったが、今後は「通常期」「繁忙期」「閑散期」に沿って料金が変わることになる。グリーン料金は、100キロまで1000円、200キロまで、300キロまで3000円で、JR東日本の新幹線並みの水準となっている。
山陽新幹線との直通運転が行われるが、特急料金は通算されず、それぞれの新幹線料金を合算する方式がとられる。ただし改札を出ない限り、指定席料金(通常期510円)は通算して1回分とするほか、小倉~久留米間を発着する場合の指定席は、自由席の特定特急料金を基準とした額が適用される予定。