来年3月12日にダイヤ改正を実施するJR東海、JR西日本、JR四国、JR九州は17日、改正の概要を発表した。本改正のメインとなる、九州新幹線の全線開業に伴う列車の動きを、今回紹介する。
九州新幹線の博多~新八代間が2011年3月12日に開業し、九州新幹線の鹿児島ルートが全線開業する。あわせて、山陽新幹線と直通運転を開始し、「みずほ」と「さくら」の新しい種別が誕生する。日中の1時間あたりの運転本数は、博多~熊本間では「さくら」が3本、「つばめ」(各駅停車)が1本、熊本~鹿児島中央間では「さくら」が2本(うち1本は各駅に停車)となる。博多~熊本間は、現在の在来線の特急と比べて、1時間あたり1本増えて4本となり、利便性が高まる。
最速列車の「みずほ」は、新大阪駅6時0分発(鹿児島中央駅9時46分着)、鹿児島中央駅19時52分発(新大阪駅23時37分着)など、朝と夕方に2往復ずつ運転する。「みずほ」の全列車と「さくら」のうち日中の1時間に1本が山陽新幹線と直通運転し、あわせて15往復が新大阪~熊本・鹿児島中央間を1本の列車で結ぶ。
停車駅が決定していなかった「さくら」も決定し、山陽新幹線との直通列車は、九州新幹線の全駅で1日1本以上が停車することになった。なお、半数の列車は、博多、久留米、熊本、川内、鹿児島中央の各駅に停車するパターンとなる。山陽新幹線内の停車駅は、新大阪、新神戸、姫路、岡山、福山、広島、徳山、新山口、新下関、小倉、博多。このうち、姫路、福山、徳山、新山口、新下関の各駅は、停車しない列車がある。
九州新幹線と山陽新幹線の接続駅となる博多駅では、同一ホームで乗り換えが可能となるよう配慮され、「さくら」や「つばめ」と、「のぞみ」や「ひかり」(レールスター)が、5~10分(日中の場合)で接続するダイヤが組まれる。
九州新幹線の全線開業により、九州の在来線特急列車も大きく変化する。新八代駅で新幹線と接続する特急「リレーつばめ」は廃止となり、門司港・博多~熊本・肥後大津間の特急「有明」は本数を大幅に減らし、博多~長洲・熊本間で1日7本のみが残る。「有明」は熊本駅4時43分発(博多駅6時10分着)、博多駅0時15分発(熊本駅着1時48分着)などの新幹線の運行時間外と、通勤ラッシュ時間帯に運転する。
「有明」の運行がなくなる門司港・小倉~博多間は特急「きらめき」が増発し、小倉~博多間の特急列車は現在と同じ運行本数で走る。また、熊本~光の森・肥後大津間は、日中に快速「豊肥ライナー」が新設されるなどで増発し、運行本数が確保される。
また「リレーつばめ」の廃止により、鹿児島本線の快速列車が増発され、大牟田~熊本間では日中に快速「くまもとライナー」が新設される。その一方で、鳥栖~熊本間では普通列車の本数が減り、1時間あたり2本から1本に。新幹線の開業により「並行在来線」の普通列車しか停車しない駅ではローカル化が進むことになった。
このほか九州内では、特急「かもめ」と特急「みどり」「ハウステンボス」の併結運転から単独運転にかわる。また、指宿枕崎線で観光列車の特急「指宿のたまて箱」が運転を開始する。一方で、787系特急車両の投入により、485系の定期列車が廃止となる。また、利用が少ない「ドリームにちりん」が廃止になるなど、各エリアで動きがある。