JRグループ旅客各社は9日、ゴールデンウィーク期間中の主要路線の利用状況を発表した。東日本大震災が大きく影響し、山陽新幹線とJR九州の路線をのぞいて、各社線とも前年を下回った。JR東日本はその下落幅が過去最大で、前年比73%となった。集計の対象期間は、2011年4月28日~5月8日。ピークは、4月29日または5月3日と、5月5日だった。
新幹線では、JR東日本の5つの新幹線が約242万人(前年比約75%)、東海道新幹線が約277万人(前年比約95%)、山陽新幹線が約141万人(同104%)、九州新幹線が約53万人(同160%)。3月11日に発生した東日本大震災で不通になった東北新幹線は、4月29日には全線が復旧し、ピーク日は臨時列車も運行したが、前年から大幅に減り前年比67%に。秋田新幹線も同39%と大幅に落ち込んだ。一方で、3月12日に全線開業した九州新幹線は好調で、ほぼ既存区間の熊本~鹿児島中央間は前年比180%、新設区間の博多~熊本間も在来線特急の前年と比べて151%。また九州新幹線と直通運転する山陽新幹線も利用者を延ばし、「のぞみ」や「みずほ」が同105%と、九州新幹線の開業効果を示した。
在来線の特急列車では、JR東日本エリアの主要線区が約72万人(前年比約70%)、JR西日本エリアが約77万人(同97%)、JR九州の主要2線区が約41万人(同107%)、JR四国エリアの主要4線区が約38万人(同98%)、JR北海道の主要4線区が約28万人(同85%)、JR東海エリアが約16万人(同93%)と、ほぼすべての線区で前年を下回った。前年を大きく下回ったのは、「成田エクスプレス」で前年比39%、「スーパービュー踊り子」を含む東海道線の特急で同41%だった。
近距離の普通列車では、首都圏を含むJR東日本エリアで前年比96%、名古屋圏を含むJR東海エリアで同92%、JR西日本の近畿圏で同104%、JR北海道の札幌圏では同94%だった。近畿圏ではユニバーサルシティ駅や大阪駅の利用が好調だった。