鉄道コム

鉄道写真家広田泉さん、復興支援で写真集

2011年5月28日(土)12時52分

広田泉さんの写真集「ここから始まる。」 来年以降も出版し復興支援につなげる予定だ。
広田泉さんの写真集「ここから始まる。」 来年以降も出版し復興支援につなげる予定だ。

鉄道写真家の広田泉さんが、東日本大震災で被災した鉄道の支援を目的に、自身初の写真集を出版する。

広田泉さんは東日本大震災の1時間前、茨城県のひたちなか市で写真撮影をしていた。いまだ全線で復旧していない第三セクター、ひたちなか海浜鉄道の沿線だ。だが震災が発生。その後は本業の写真撮影を行わず、ボランティア活動や物資輸送に専念した。自分がいま一番やらなければならないのは、撮影ではないと思ったからだった。そんな広田さんを変えたのは、鉄道ファンらからの声だったという。「復興に向けた長い記録を美しい写真で綴るのは誰もできない」、「お前しか撮れないだろ」。

広田さんは、被災地が少し落ち着いた地震1か月後から現地入りした。自宅からの移動には物資を乗せ、現地ではあくまでもボランティア活動が中心。悲惨な光景を目の当たりにしながら、ボランティアの合間に現地の鉄道を撮った。

出版する写真集では、ひたちなか海浜鉄道や三陸鉄道、JR山田線など、津波で流された鉄道の様子を、被災前の写真も交えて伝える。収益は全額、ひたちなか海浜鉄道と三陸鉄道に寄付する。写真集を買った人の代金をできるだけ寄付にまわせるようにと、あえて出版社を使わず、自分で出すことにした。書店にも極力置かず、インターネットで販売する。価格は1冊2415円で、現在予約を受け付けている。1人で複数冊購入していく人も多いという。目標販売部数は5000部だ。

鉄道の復旧には莫大な費用が必要だ。「なんとか皆さんと一緒に、ひたちなか海浜鉄道と三陸鉄道を走らせたい」。全国の鉄道ファンらへの協力を求めている。

2011年5月28日(土)13時4分更新

鉄道コムの最新情報をプッシュ通知でお知らせします無料で受け取りますか?

鉄道未来インデックス

  • 札幌市営地下鉄タッチ決済乗車実証実験開始[2025年春]
  • 蒲須坂駅・郵便局窓口業務一体化[2025年春頃]
  • 山陽電気鉄道カードタッチ決済乗車サービス提供開始[2025年春]
  • 京王井の頭線自動運転実証実験開始[2025年春]

鉄道コムおすすめ情報

画像

ラストランは2月10日

「青胴車」5001形は2月10日にラストラン。引退前の「乗車会」開催や、引退記念グッズ発売も。

画像

「T4編成」展示へ

1月で引退の「ドクターイエロー」T4編成、先頭車がリニア・鉄道館で保存へ。6月に展示開始予定。

画像

幻の東京圏「改良計画」とは?

1950年代の国鉄は、東京圏を今と違った形に改良する計画を持っていました。その中身とは?

画像

「サステナ車両」5月デビュー

元小田急の西武8000系が、車両基地を出場。デビューは2024年度末から2025年5月末に変更。

画像

撮影スタイルとレンズ選び

撮影スタイルにあったレンズ選びについて、プロカメラマンが解説! 今回は、標準~望遠・超望遠レンズ編です。

画像

1月の鉄道イベント一覧

2025年も鉄道コムをよろしくお願いします。1月の計画立案には、イベント情報をどうぞ。

画像

イベント投稿写真募集中!

鉄道コムでは、臨時列車や基地公開など、さまざまなイベントの投稿写真を募集中! 投稿写真一覧はこちら。