東京都交通局と東京メトロは2日、九段下駅での乗り換えを改善させるために改良工事に着手することを発表した。九段下駅の改良は、都営地下鉄と東京メトロが進めているサービス一体化への取り組みの第1弾となる。
九段下駅を通る地下鉄のうち、東京メトロ半蔵門線と都営新宿線のホームは同じ位置に造られており、半蔵門線の4番線と新宿線の5番線は、1つのホームを壁で区切って使用している。中央の壁を取り除けば両線の乗り換えの利便性が向上することから、今年度に改良工事に着手することにした。来年度中に完成し、半蔵門線の押上方面と新宿線の新宿方面とが同一ホームで結ばれ、各線の改札や階段を通ることなく乗り換えられるようになる。コンコース階の改札内にある壁も撤去される。
東京都交通局と東京メトロは、今年2月から地下鉄サービスの一体化の検討を始めており、九段下駅の改良が最初の取り組みとなる。来年度には、岩本町駅と秋葉原駅を新たに乗り継ぎ駅に指定して乗り継ぎ割引の対象にするほか、春日駅・後楽園駅、市ヶ谷駅において他社局の改札口を経由して出口へアクセスできるようにする取り組みも決定した。
一方で、課題となっている乗り継ぎ時の運賃の軽減については、具体的な施策は示されなかった。東日本大震災以降の運輸収入の減少が大きいことをあげ、「今後の運輸収入実績も踏まえて検討する」と発表するにとどまった。