小田急電鉄は、旧型のロマンスカー10000形と20000形、通勤車両5000形の3形式を、2012年3月17日のダイヤ改正で引退させることを決定した。
10000形は、ロマンスカー「HiSE」の愛称で、1987年にデビュー。主に箱根への観光特急として活躍した。高い位置から車窓を眺められるよう、床を高くした「ハイデッカー車両」なのが特徴だが、乗降口に階段があることからバリアフリーの対応が難しくなっていた。これまでに3編成が廃車になっており、現在は1編成のみが残っている。
20000形は、ロマンスカー「RSE」の愛称で、1991年にデビュー。JR東海の御殿場線へ直通する「あさぎり」を中心に2編成が活躍した。中間の2両は「ダブルデッカー車両」で、2階部分にはスーパーシート(グリーン車)、1階部分はセミコンパートメント席がある。「あさぎり」は、JR東海の371系車両も運用されていたが、2012年3月17日のダイヤ改正後は小田急の60000形「MSE」のみが運行する。
5000形は、1969年から運行している通勤形車両。最新鋭の4000形などの導入に伴い、5000形のみの10両での運転は今年1月に終了。現在は計8両のみが残っている。
ロマンスカーの引退にあわせ小田急トラベルは、ロマンスカーに乗車するツアーの参加を20日から募集している。10000形または20000形に乗って、新宿、片瀬江ノ島、唐木田、小田原などをまわるツアーとなっている。このほか、1泊2日で両形式に乗車するプランも、22日に発売する。