JR九州は28日、九州の観光地を専用の寝台車両でめぐる、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」を2013年10月から運行すると発表した。
クルーズトレインは、機関車にラウンジカー1両、ダイニングカー1両、客車5両の編成で、JR九州が約30億円かけて製造する。客車の内訳は、1両2室の「DXスイート」が1両と、1両3室の「スイート」が4両で、全14室、定員28人。寝台特急「カシオペア」の87室、定員174人と比較して、大幅にゆったりしたものとなっている。車両デザインは、九州新幹線800系やJR九州の観光特急などを手がけた水戸岡鋭治氏で、内装に木や畳を使うほか、ラウンジカーにバーカウンターやピアノを設置するなど国内最上級の豪華さが特長。
愛称である「ななつ星」の由来は、九州の7県と7つの観光素材(自然、食、温泉、歴史文化、パワースポット、人情、列車)による。博多駅を起点に1泊2日と3泊4日のコースを設定。1泊2日のプランは、博多~長崎~阿蘇~由布院~博多のルートで、長崎本線、鹿児島本線、豊肥本線、久大本線を経由する。一方、3泊4日のプランは、博多~由布院~宮崎~隼人~鹿児島中央~川内~隼人~阿蘇~豊後森~博多で、鹿児島本線、久大本線、日豊本線、肥薩線、豊肥本線などを経由する。観光に特化した寝台列車は国内初の導入で、富裕層やシニア層向けの価格設定を予定。2012年10月から、旅行商品として販売する。