JR東日本は3日、中央線の旧万世橋駅の遺構を整備し、公開すると発表した。また、赤レンガ高架橋の下を商業施設にすることも発表した。
旧万世橋駅は、100年前の1912年、中央線の起点として開業。中央線が1919年に東京駅まで延伸されるとその役割は縮小し、1943年に休止に。東京~御茶ノ水間の赤レンガ高架橋は、万世橋駅開業と東京駅延伸の際に建造されたもので、当時の鉄道土木技術の高さを今に伝えている。
同社はこのたび、高架橋とともに遺構として残ってきたホームと2か所の階段を整備して公開することにした。鉄道の歴史的遺産を感じられるよう、旧駅舎の階段を通じて線路階のホームまで出られるようにし、ホーム部では展望カフェと屋外デッキを設置する。今月中に着工し、来年夏に開業する予定。整備運営は、鉄道博物館などを運営する東日本鉄道文化財団が行う。
赤レンガ高架橋の下については、地上1階の商業施設として、来年春以降に開業する予定。赤レンガアーチは外観に活かす。
交通博物館の跡地に建設中のJR神田万世橋ビルの周りには、「憩いの広場」や「記憶の広場」を設置し、旧万世橋駅の駅舎基礎の保存展示やターミナルをイメージしたレンガベンチ、レールを使ったモニュメントなどを配置することにしている。