JRグループは4日、JR共通のプリペイド式カード「オレンジカード」の発売を、2013年3月末で終了すると発表した。
オレンジカードは、近距離用の自動券売機できっぷの購入に使える磁気式のカード。首都圏をのぞいて、現在1000円券と3000円券が発売されているが、来年3月31日で発売終了となる。手持ちのオレンジカードは、来春以降も券売機などで引き続き使用できる。また、1997年に利用停止となった5000円券と10000円券の交換手続きも継続される。
オレンジカードは、キャッシュレス時代に対応するカードとして、国鉄時代の1985年に登場した。当時、大宮~上野間で運転していた「新幹線リレー号」の客室乗務員「オレンジガール」にちなんで、「オレンジカード」と名づけたとされる。民営化後も各社で発行され続け、JR東日本では1990~96年に毎年300億円を超す発売額を記録した。しかし2001年以降、「Suica」などのICカード乗車券が広まると、需要が減少。2010年度のJR東日本の発売額は4億円にまで落ち込んだ。機能性の高いICカードに役目を譲り、磁気式のオレンジカードは28年の歴史に幕を閉じる。
現在オレンジカードは、JR東日本では仙台駅や新潟駅など首都圏をのぞく24駅で、ほかのJR各社では主な駅で発売している。