JRグループは21日、来年春のダイヤ改正の概要を発表した。改正日は2013年3月16日(土)。200系新幹線や近畿地区の183系、東海地区の117系など、さまざまな国鉄型車両が引退する。
JR発足から25年が経ち、国鉄時代から走り続けてきた車両の老朽化も進んだ。上越新幹線を現役で走る新幹線車両200系は、東北・上越新幹線の開業と同じ1982年にデビュー。開業色のオリジナルカラー1編成を含めた70両が在籍しているが、E2系への置き換えにより定期運転を終える。
北近畿地方と京都・大阪を結ぶ183系特急型車両も引退する。JR西日本の同車は、国鉄型の485系を改造して直流に対応させたもので、1991年にデビュー。特急「こうのとり」「きのさき」「はしだて」で使用され、34両が在籍している。ダイヤ改正後は、紀勢本線の特急「くろしお」用287系新型車両の導入で余剰となった、381系により運転される。
東海地区の117系は、1982年に運転を開始。東海道本線の「新快速」や「快速」として長年活躍したが、313系の増備にともない2010年以降、廃車が進んでいた。現在は岡崎~米原間で1日数往復程度の運転となっており、ダイヤ改正で姿を消す。
ほかには、荷物電車を旅客車化した123系1両が中央本線(辰野支線)から退き、E127系に置き換わる。また、常磐線の特急「スーパーひたち」651系99両と「フレッシュひたち」E653系72両が同線の特急運用から外れ、全ての特急列車が新型のE657系に統一される。近畿地区では、JR京都線・JR神戸線から、ステンレス車の通勤電車205系が引退する。
車両引退以外の動きでは、東北新幹線が、国内最速となる時速320キロ運転を始める。320キロ運転は、他形式の車両と併結せずにE5系単独で運転する「はやぶさ」が対象で、現行より20キロ速い。スピードアップにより東京~新青森間は3時間を切り、最速2時間59分で結ばれる。また、新たにE6系が登場し、秋田新幹線「スーパーこまち」として運転を始める。「スーパーこまち」は、東京~盛岡間では「はやぶさ」と併結運転し、「はやぶさ・スーパーこまち」として最高時速300キロで運転する。E5系の増備が進んでおり、新青森駅発着の定期列車はすべてがE5系に、東京駅発着の東北新幹線の約4割がE5系となる。あわせて、早朝・深夜5本の「はやて」「やまびこ」のグランクラスは、アテンダントのサービスを省略し、「なすの」に準じたグランクラス料金を設定する。
東海道新幹線では新型のN700A車両を2月8日に導入し、改正日以降は山陽新幹線にも乗り入れる。工事が進められてきた新大阪駅では27番線の使用を開始し、遅延時のダイヤの回復能力を向上させる。一方、グリーン車の座席や手持ちのFMラジオで受信できる、東海道・山陽新幹線の音楽サービスは終了させる。今後は、NHKラジオ第一放送の再送信のみを行う。このほか、山陽・九州新幹線では、週末に臨時の「みずほ」を1往復増発する。
快速列車では関東地区で動きがある。中央線の「特別快速」(特快)は運転本数が増え、スピードもアップする。日中における特快の運転本数は、現行の毎時4本から同5本(土休日は同6本)となり、最高時速は95キロから100キロに。新宿~八王子間は最大3分短縮する。湘南新宿ラインでは、浦和駅のホーム新設工事が完了し、湘南新宿ラインとJR・東武直通特急の全列車が浦和駅に停車するようになる。京葉線では、「通勤快速」をのぞく朝の「快速」が各駅停車に変更されるほか、武蔵野線の京葉線直通列車が終日各駅停車になり、快速通過駅の停車本数が増加する。このほか、日中の武蔵野線は1時間に1本増発し同6本の運転となる。
列車名のついた快速列車は全国で廃止が進むことに。東海地区では日中に1時間毎に走っている中央本線の「セントラルライナー」が廃止に。東北地区では1往復残っていた大船渡線の「スーパードラゴン」が、九州地区では約1時間毎に走っている豊肥本線の「豊肥ライナー」が、それぞれ廃止となる。
このほか、JR東海の在来線全特急列車で、車内販売が終了する。