JR東日本新潟支社は26日、新潟~秋田間を結ぶ特急「いなほ」を、E653系のリニューアル車両に置き換えると発表した。8編成56両を今秋から順次投入する。
E653系は、今年3月まで常磐線の特急「フレッシュひたち」で運用していた車両。今回の「いなほ」の転属に伴い、E653系1000番台とし、外観はクリーム色とオレンジを基調に、「夕日・稲穂・海」をイメージしたデザインに一新する。1編成の7両全体で、「夕日が沈む日本海に映り込む空の色合いを、ゆるやかな曲線と色彩で表現」するという。1号車は、常磐線の定期運行時にはなかったグリーン車とし、大型リクライニングシートを採用。ラウンジスペースも設け、くつろぎながら車窓を楽しめるようにする。グリーン車は18席、普通車は410席で、現行の485系6両編成と比べ、46席増える。
「いなほ」の現車両は485系1000番台と485系3000番台で、新潟車両センターに111両在籍し、金沢~新潟間の「北越」と共通で運用されている。485系特急は国鉄時代に製造された車両で定期運行する数少ない存在だが、置き換えにより「いなほ」から順次退く。
E653系は、1997年に485系常磐線特急の全面的な置き換えのために投入されたが、16年後、再度485系の置き換えを担うことになる。