JR北海道は4日、11月にダイヤを変更し、特急列車の減速や本数削減を行うと発表した。全道で特急の減速や本数削減を実施するのは、1987年のJR北海道発足以来初めて。
ダイヤの変更は、特急列車の出火・発煙トラブルが相次いだことを受けての対応で、車両の負荷を減らすとともに、整備時間を十分に確保し、安全性を向上させるのがねらい。減速は、最高時速130キロで運転している特急列車7種類と快速「エアポート」を対象に行う。特急列車では、発煙・出火が相次いだ「北斗」(キハ183系)、7月に配電盤から出火した「スーパーおおぞら」(キハ283系)、2月に発煙があった「スーパー宗谷」(キハ261系)のほか、「スーパー北斗」「スーパーカムイ」「スーパーとかち」「すずらん」を減速する。「スーパーおおぞら」は最高時速を20キロ落とし110キロに、その他の列車は最高時速を10キロ落とし120キロとする。平均所要時間は、札幌~釧路間で約20分、札幌~函館間で約10分、その他の区間でも数分から5分程度長くなる。さらに運転本数を、札幌~函館間で6往復、札幌~釧路間と札幌~旭川間で各1往復減らす。
JR北海道では、線路上の砂利の飛散防止や乗り心地の改善のために、一部の特急で減速運転を実施したことがあるが、ダイヤ変更は行っていなかった。カーブでも高速で走れる車両の導入や線路の改良によって高速化を進めてきた同社だが、今回、「輸送サービスの抑制」という形で、方針を転換することになる。