JR西日本は11日の定例社長会見で、阪和線の運行管理システムを更新し、9月28日から使用を開始すると発表した。新システム導入にあわせて、折り返し設備の整備、踏切の長時間鳴り放し対策などにも着手する。
新しい運行管理システムは、ダイヤの回復早期化、指令員訓練装置の兼備、駅の発車標や自動放送の拡充などがポイント。列車の遅れ状況などを表示する発車標は、阪和線16駅で設置済みだが、新システム導入にあわせ、残る19駅にも設置し、乗客への案内のレベルアップを図るとしている。
折り返し設備は、熊取駅、東貝塚駅、鳳駅で整備。輸送障害が発生した際に運転を見合わせる区間を最小限にする。使用開始時期は、熊取駅が2013年10月、東貝塚駅が同11月、鳳駅が同12月の予定。同社によると、阪和線の鳳~熊取間で輸送障害が発生した場合、整備後は鳳駅からの上り列車は1時間に8本、熊取駅からの下り列車は1時間に4本が折り返し可能になるという。
輸送障害発生時に踏切が鳴ったままになる「長時間鳴動」の対策もあわせて行う。天王寺~日根野間の踏切が対象で、実施時期は2014年4月以降。高架化により踏切そのものがなくなる東岸和田駅付近の4か所を除き、順次行うとしている。東岸和田駅付近の高架化工事は、2016年度内に供用が開始され、7か所の踏切が廃止される予定。