JR東日本は8日、列車自らが位置情報を送信する無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」を埼京線に導入すると発表した。
ATACSは、保安のための膨大な地上設備を減らすことを目的に、JR東日本が開発したシステムで、2011年10月に仙石線の一部区間で実用化された。従来の信号機間の「閉そく」によらず、列車自らが在線位置を検知・通信することで、自律的な列車間隔の制御が可能。信号機で区切られた1閉そく区間内に1列車という制約がなくなり、臨時の速度制限、踏切の制御などもできる。仙石線での安定した運用を受け、首都圏での展開が検討されていたが、最初の区間として埼京線の池袋~大宮間での導入が決まった。2013年度から工事が行われ、試験を経て2017年秋に使用を開始する。
首都圏では電波の変動や干渉が大きいため、ATACS導入には課題があったが、これを解決。「首都圏ATACS」として開発され、準備が進められてきた。同社では、ATACSにより輸送システムの変革をめざすとしている。