JR東日本は、土砂崩落により運休している岩泉線の廃止を決定し、8日に国土交通大臣に廃止届を提出した。
岩泉線は、山田線の茂市駅から分岐し、龍泉洞の玄関口となる岩泉駅に至る38.4キロの路線。1942年に開業し、1972年に全線が開通した。いわゆる盲腸線で、自動車の普及や沿線人口の減少から廃止が検討されたこともあるが、バス転換が困難といった理由で廃止されず、1日3往復(茂市~岩泉間)が運行されていた。
2010年7月、押角~岩手大川間で土砂崩落が発生し、列車が乗り上げて脱線。以降、全線でバスによる代行輸送が行われている。同社は復旧に伴う費用が多額になることに加え、復旧に要する期間の長さ、利用者の減少を考慮し、復旧の断念を表明。今月7日に地元自治体との間で、同線の廃止について合意が成立した。
今後、同社は押角トンネル(約3キロ)を岩手県に、茂市~岩手和井内間(約10キロ)を宮古市に、浅内~岩泉間(約7.4キロ)を岩泉町に、それぞれ無償で譲渡する。県は国道の難所区間の迂回路としてトンネル区間を道路に転用。道路改良に関する工事費の一部を同社が負担する。また、廃止後の代替バス運行に伴う赤字分を、同社が全額負担する。